ニンゲン交差点EP3 【絆のアイテム】
なんとも素敵な旅行をされているお客様のお話。
彼は札幌で勤めている東京の方。
この度東京勤務に戻るという事で、休暇をもらいゆっくり道東を満喫したいとの事で
ここ阿寒湖に訪れたそう。
彼女にちょっと良いプレゼントを渡そうと思い、
良い出会いがあればと街を散策していたところたまたま花に水をあげに外に出た私に会う。
良かったら覗いてみませんか?とお声掛け。
実はさっきも通りかかって気になったお店だったんです。
ひと通り店員とお客さまの間で交わされる模範的セールストークが済んだ頃、
「実は今その彼女は屋久島にいるんです。」と。
何度もスマホを確認しながらの会話だったのだけど、
聞けばその彼女から送られる屋久島の写真を見ていたそうだ。
それを聞いた私は間髪いれず
是非、阿寒湖の写真も見せてあげてください!
彼はにっこり笑って勿論もう何枚も送っています。との事。
嬉しくなった。
素敵な旅をしているな。
彼女は東京に住んでいて、遠距離恋愛なのだそうだ。
お互いにバツ1で、もともとは友人同士だったのだけど、メールでやり取りするうちに彼が東京に行ったり、彼女が札幌に来たりする間柄になりやがて恋人になった。
屋久島での彼女はスピリチュアル系の合宿に参加しているようで、
彼にとってはそれもちょっとした心配事だったりするみたい。
彼女いわく「ひと皮むけるため」の精神修行なんだとか。
「性格も自分とはまったく正反対の彼女だからこそ僕には必要な人だと思うんです。」
一度結婚に失敗している彼は、彼女と付き合うことでひと皮むけたがっているように見えた。
彼がお店に入ってきてまっすぐ向かった場所がある。
他のモノに一切気に留めない感じがあった。
もう、最初からソレに呼ばれているかのようだった。
途中、別のお客様がみえたのだけど、大概の方はそういう場合「また来ま~す」
「どうも~」などといい店を出るのが常なワケ。
だがしかしだ。
彼は、その間もずっとソレから目を離さない。
もう、出会ってしまったが最後。
ソレは彼と彼女が心を通わせることができる共通の趣味指向アイテムだった。
精神世界に埋没し、現実からかけ離れた世界に行ってしまうのではないかと彼女を心配している彼にとって、迷うことなくチョイスしたソレは、彼女と自分を繋ぐ目に見える絆の一つにしたかったのだと思う。
ありがとうございました。と二人の絆を大事に抱えて帰っていった彼。
私は、今度は是非その彼女と一緒に来て下さいねと言った。
このエピソードは彼に承諾を得て公開しているのでご心配なく。
とても興味深いお話だったので、
最初はつぶやき程度のSNSで紹介させて欲しいとの願いに対して彼も「実は僕たち凄いんです。」と自主的に(?)喜んで事細かに様々な出来事や二人の馴れ初めなんかも聞かせてくださったので「交差点EP」での紹介となったのでした。
東京を軸に、めちゃくちゃ北と南で互いを思いあう二人。
二人の交差点は東京になるわけだが、本当にいつか、
絆のアイテムを手に彼女を連れてここへ訪れる彼との再会を私は心から願っている。
観光地阿寒湖で訪れる人々が交差する人間模様。
興味深くていとおかし。。。
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